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パッセンジャーのmisuzuのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
2.5
北米で大コケしたことと作品評価の低さを事前に耳にしていたので、全く期待せず鑑賞。
ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットのファン以外、誰も得をしない映画だろうと思っていたら案の定だった。

優れた脚本がリストされているザ・ブラックリストに記載された脚本の映画化ということで、物語(発想)は悪くないと思った。
主演が今旬の俳優2人、予算もたっぷり、これで面白くならないわけがないのに、演出が全てをダメにしてしまっている。
まずメリハリがない。
ジェニファー演じるオーロラがクリプラ演じるジムの秘密を知る場面は、この映画の中でかなり重要なシーンだろう。
それなのに全く盛り上がらない。
何故、あのような形で秘密が知られてしまったのか、観客が納得できる(もしくは衝撃を受けるような)理由がもっと示されても良かったのでは。
またこの映画の中で最大の見せ場である、宇宙船の修復のシーンもオーロラがギャーギャー騒ぐばかりで、何が起こっていて何をしているのか全くわからなかった(私の理解力が低いだけかもしれないが…気づいたら船が直っていた)。

先に脚本は悪くないと書いたし、ジャンル分けするならこの作品はラブストーリーになるだろう。
ただSFの要素を加味するなら、もう少し設定をしっかりしてほしかった。
あくまで私見だが、映画だけでなく小説も読むようなコアなSFファンが観たら大いに不満が残る作品だろう(宇宙の映像は綺麗だけど)。

私はクリプラが好きなのでそれだけの理由で観たし、ジムは今までにないタイプの役(クリプラ史上1番綺麗なクリプラ)だったので、その部分はとても良かった。
宇宙で1人ぼっちといえば、火星でジャガイモを育て80sディスコの曲で踊るかの映画が記憶に新しいが、クリプラ as ジムにもAwesome Mixのカセットテープを渡したら踊りだすんじゃないかと想像したり…(映画作品のクロスオーバー妄想)

とりあえず監督のモルテン・ティルドゥムに対して、イミテーション・ゲームは素晴らしかったのに今回はどうしちゃったの?という疑問しか持てない作品だった。
SFが合わないんですかね?
あと、音楽の使い方も良くなかったよ!
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