主人公ジムは、地球から移民星に120年かけて行くはずだったが、なぜか30年経ったところで、一人コールドスリープから目覚めてしまう。このままでは、目的地にたどり着くまでに寿命が尽きてしまう。絶望するジムだったが、船内を歩き回るうちに、理想の女性オーロラを発見する。ジムは寂しさに耐えかねて、オーロラのコールドスリープを解除してしまう。ジムは秘密を持ったまま、オーロラと二人で生きていこうとするが……。というお話。
在り来たりなSFストーリーだが、ビジュアル的には見どころの多い作品。宇宙船内のデザイン、美しい宇宙空間の描写は斬新で素晴らしい。クリス・プラット、ジェニファー・ローレンスの主役コンビも演技力があり、登場人物の心情がはっきりと伝わってくる。作りようによってはSF映画の名作になったかもしれないが、何となく方向性にブレがあり、本格SFにしたいのか、ラブストーリーにしたいのか、はっきりしなかった。特に、トーマス・ニューマンの音楽は終始落ち着きがなく、この作品の雰囲気とは合わない感じがした。それから、アンディ・ガルシアの無駄遣い。こんなエキストラみたいな役を振っていいのだろうか。
