セデック

ちはやふる 下の句のセデックのレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
5.0
10点満点ですね!
世界中にスポ根映画はごまんとあるが、この映画はその全てに勝る出来映えだった。
非常に高度な内容になっている。勝利への執着心を捨てて、かるたが楽しかった時を思い出せという教訓的なメッセージを、小道具が伝えている。ヒッチコックが言う、語るなみせろを本当に徹底してる。映画館で初めて涙が出た映画です!劇場を出たあと、見た人がみんなすごかったっていってる映画は、これが初めてだ。

個人戦でも団体戦と同じように繋がってるんだ!って訴えてくるのも丁寧にやってたし、肉まんくんや机くん達のキャラクターの掘り下げもしっかりやってる。

瑞沢チーム崩壊の危機から、クイーン戦までの間には、2つの対立するものがある。
それは、集団で団結して勝つか、それとも努力して個人で勝つかってやつ。どっちが強いか?を科学か自然か?どちらが上かを「もののけ姫」で描いた宮崎駿みたいに、正面から堂々と真摯に扱ってる。
俺がこの映画を日本映画史に残る傑作と見るのは、この対極のモチーフを話しの軸に置いているから。ここが、他のスポーツ映画と決定的に違うところだ。

正直、世界配給しても十分通用するんじゃないかと思うくらいクオリティが高かった。
セデック

セデック