七沖

ちはやふる 下の句の七沖のレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
3.8
〝きみがくれた情熱 今、きみのために戦う〟
このキャッチコピー、正直あまりしっくりきていない(笑)。
前作よりあっちに行ったりこっちに行ったりと散らかった印象を受けるが、クライマックスの盛り上がりは前作を超えていると感じた。

前作で固い絆で結ばれた瑞沢かるた部にヒビが入り、再び結束していくという続編としては定番のストーリー運び。
ヒビが入る…と言っても、部員同士がいがみ合うような展開ではなく、成長を焦る千早が意図せずに部から遠のく…という感じなので嫌な気分になるシーンは全くと言っていいほど無い。
チームに不穏な空気が漂う中、常に仲良くひたむきに成長していく肉まんくん、机くん、奏ちゃんに癒された。特に上白石萌音が演じた奏は、前作から成長してチームのお母さん的な癒しオーラすら感じる。

かるたクイーンの詩暢を演じた松岡茉優は見応えがあった。
千早に「しのぶれど」のかるたを取られた時に見せた驚きの表情と、対等に戦える相手を見出して浮かべる不敵な笑顔(これが心底楽しそうな表情!)が素敵過ぎる。自分は原作未読だが、詩暢というキャラクターがよく伝わってくる演技だった。

千早と詩暢の勝負の結末もいいと思う。再戦できるのはいつか?とちはやに問う詩暢は可愛らしくもあり、生い立ちの孤独な境遇を察せられる名シーンだ。

幼なじみの新に関係するエピソードに不完全燃焼感があるが、これは続編で解消されるのだろうか。
七沖

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