くますけ

Dressing UPのくますけのネタバレレビュー・内容・結末

Dressing UP(2012年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

主演のきららちゃん、あんなに華奢で可愛い女の子なのに、瞳に力を込めただけで静かにあふれでる暴力性。
止められない衝動。

それをはっきりと誰の目にもわかる特殊メイクという形に到達させたのは面白かった。
ええーってなったけど、新人監督ならではの実現なんじゃないかと思う。

暴力が重要な要素だけど、暴力描写があったのはカッターで切りつけた時だけ。
彼女が秘めた「暴力・衝動」を可視化しないことは想像を濃くさせたし、唯一のシーンが際立ってよかった。

狂気を秘めてるのが彼女だけじゃないというのも面白かった。
よくよくみると、みんな、少しずつおかしくて、でも、それがリアル。
父親も、同級生たちも。

母親を殺すことで彼女は自分の衝動を抑えることができたんだろう。
消滅したわけじゃないけれど。
ラストシーン、涙のあとに少し笑ったのは、傷つけた女の子が向かい側で笑ってくれたからなんじゃないかと思う。
そうであってほしい。
くますけ

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