南森まち

スパイダーマン:ホームカミングの南森まちのレビュー・感想・評価

3.4
MCU多すぎ!スパイダーマン多すぎ!でも今映画館でやってるスパイダーマンは面白いらしい!…ということで、これが今やってるスパイダーマンシリーズの1だということで観ました!

これまでの映画やゲームと同様に、蜘蛛の糸を使ったアクションはアイデアに満ちあふれているし、絵が映える。
また、未熟だけど純真にみんなのヒーローたらんとする幼い主人公は、MCUでも唯一無二の爽やかさだ。藤子・F・不二雄のパーマンみたい。

肝心のお話は、アイアンマンへの憧憬と劣等感、15歳ならではの淡い恋心の2つのテーマが並行して進むのだが、どちらかに絞ったほうが良かったと思う。
というか、15歳の少年がオジサンのアイアンマンに頼りっきりな時点で、このあとの展開の方向性はなんとなく見えちゃうんだよな…だからシリーズものは(以下略)

また、話の大枠は昔からのスパイダーマンとあまり変わらないので、目新しさはまったくない。手垢の付いたお話…そんな映画でした。他のシリーズのスパイダーマンを見ていれば、特にこれを見る必要はないのかもしれない。

また、前回(アベンジャーズ?キャプテン・アメリカ?)の話の続きという形式なので、シリーズを追っていないと分からないセリフを序盤から散りばめるのはどうかと思う。
制作者が「他のシリーズを見てるでしょ?」と観客ににオタク度を試すのは、まさに宗教じみてて嫌になる。
「あそこはあの時のアレだよね!」「このキャラは後にアレになる人だ!」とか喜んでいる人たちが痛々しい。
肝心の敵の武器の説明や、叔父さんがどうなったか、などに「みんなもう知ってるよね!」と、3秒くらいしか触れないのはいかがなものか。どちらもストーリー上大事な要素では…。

個人的には、もっと単体で見られるようにがんばって、他のヒーローを出すのは控えめにしてほしい。
シリーズを楽しむために、何本見ればいいというのか。そして中には駄作と言われても仕方ないモノも含まれている。ソーやらハルクやら言われてもなぁ…。
たぶんMCUの作品を見るたびにこういうこと書いちゃうんだけど、もうこれは単体で見せる「映画」という表現と違って、「有料のTVドラマシリーズ」に近い。

結局、「カッコいいヒーローが悪い敵を倒す」って話ばかりなので、いい年になるとキツくなってきますね。