SANKOU

スパイダーマン:ホームカミングのSANKOUのレビュー・感想・評価

3.7
トム・ホランド版のスパイダーマンは見た目の幼さやミーハー気質からは考えられないほどタフでしぶとい。
完全に執念と根性のヒーローだ。
スタークに認められたい一心のスパイダーマンことピーター・パーカーは、とてつもない破壊力を持った武器の売買をする危ない集団を独自で追跡する。
彼らの手にする武器は、実はアベンジャーズが戦った後の残骸から見つけ出されたものだった。
瓦礫撤去を任されていたエイドリアンは、ある日突如スタークと政府が設立した機関に仕事を奪われてしまう。
家族との生活を守るため、エイドリアンは武器の残骸を修復し密売して利益を稼ぐことを思い付く。
やがて彼の組織はスタークから武器の強奪を目論むようになる。
もちろんアベンジャーズは正義のために武器を手にしているのだが、武器は手にするもの次第では平和と秩序を壊すものだ。
皮肉にもエイドリアンたちが武器の密売をするきっかけを作ったのはアベンジャーズなのだ。
そしてエイドリアンの企みをアベンジャーズの誰もが知らない。
知っているのはスタークに憧れるまだ学生のピーターだけ。
なかなかにシリアスな状況で、戦いの規模も大きいのだが、ヒーローものとしてだけでなく学園ものとしての青春ドラマを楽しめるのもこの作品の魅力だ。
ピーターは学力コンテストチームの仲間であるリズに恋をしているのだが、なかなか好意を伝えられない。
ヒーローとしての思いきりの良さは恋愛では全く活かせないようだ。
もちろん自分がスパイダーマンであることは誰にも打ち明けられない。
が、ひょんなことで同じく学力コンテストチーム仲間のネッドに知られてしまうのだが、この冴えないネッドとの名コンビぶりがなかなか面白い。
そして後半に実はリズの父親がエイドリアンであるという衝撃の展開も待ち受けている。
スタークに失望されたピーターはスパイダーマンスーツを没収されてしまうが、彼はリズへの恋心と葛藤しながらも平和を守るためにエイドリアンに戦いを挑む。
根性のヒーローであり大衆のヒーローであるスパイダーマン。

ちなみにホームカミングとは卒業生などを学校に招いて楽しむかなり規模の大きなパーティーのことらしい。
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