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COP CAR コップ・カーの一人旅のレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
3.0
ジョン・ワッツ監督作。

パトカーを盗んだ二人の家出少年が、車の持ち主である保安官に追われる様子を描いたサスペンス。

ジョン・ワッツ監督がMCU版『スパイダーマン』を撮る前に手掛けた小粒なサスペンスで、名優:ケヴィン・ベーコンが悪徳保安官に扮しています。

二人の家出少年が野原に放置された無人のパトカーを悪戯心で盗むが、実はそのパトカーには知られてはならない秘密が隠されていて、持ち主の保安官はパトカーを盗んだ少年達を捜し始める―というクライムサスペンスですが、スピルバーグの『激突!』のようなスリリングな追走劇を期待すると拍子抜けする作品となっています。

『激突!』のような得体の知れない恐怖に直面するスリラーとは全然違います。まず、ケヴィン・ベーコン演じる悪徳保安官の悪事と間抜けな行動がはっきり描写されているのがスリルと緊張を大きく削ぐ結果に繋がっていますし、パトカーを盗んだ家出少年も事態の深刻さになかなか気づくことなく、警察無線や銃をいじくって遊ぶという緊張感の無さに肩の力が抜けます。

さらに惜しいのが、家出少年vs悪徳保安官のスリリングな追いかけっこを見たいのに、肝心の追走劇がなかなか始まらないこと。それこそ終盤を除いた大半のシーンで、“盗んだパトカーで青春を謳歌する家出少年”&“パトカーを盗まれてあたふたする悪徳保安官”を交互に描くことに時間が割かれています。

見たいものとは全然違った小粒なサスペンスですが、爪の甘い悪徳保安官を演じたケヴィン・ベーコンの存在感だけは一級であります。
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