人生はままならない。
最期の迎え方は誰にもわからない。
淡々と現実が流れる。
余白に音が乗ることはなくただただ静かに時が流れる。
言葉も少なくタイトルやイントロダクションから劇的なドラマを想像した人には合わないのかもしれない。
答えのない問いかけに胸が苦しくなった。
近くの他人だからこそ寄り添えることもあるし、話せることだってある。
興味がある方は公式サイトの「DIRECTOR’S STATEMENT」を是非読んで頂きたい。監督が何故本作を撮ろうとされたのかが興味深く書かれています。
家族にしかできないことと医療者にしかできないことがある。
看取りの現場は悲しくて後ろ向きなことばかりではない。
人命救助はできなくても尊厳を守ることはできる。
ただ、彼の選択がどうなのかは別にして…
ティム・ロスがもっと好きになった。
万人受けはしないかもしれませんが観た人と死生観を語りたくなる作品かな。
鼓動が一瞬止まったかと思った。
無音の中で流れるエンドロール。
静寂の中で自分の鼓動が木霊する。
誰の吐息も聞こえない。
ただただ息を潜めて明るくなるのを待った。