KeiRalph

ヴィジットのKeiRalphのレビュー・感想・評価

ヴィジット(2015年製作の映画)
3.7
長引く病院暮らしの心の穴を埋めるべく、密林から円盤購入の上、病院内コンビニで受け取り。映画館どころか、外出も許されない現在では大変ありがたいシステム。逆に、これが無い環境で3ヶ月閉じ込められたら…と考えただけでゾッとする。

そんな我が身のシチュエーションとリンクするかの如く、本作も初めて会うジジババと1週間里帰りしてみよう!というチャレンジングな内容。

お姉ちゃんは映像作家を目指してるので、常にカメラを見据えてジジババとの距離を縮めて行こうとする。弟のTダイヤモンドはラップが得意な潔癖症、どちらも何らかのコンプレックスを抱えている事も鍵。これには恐らく、シングルマザーとして育てられた(父親に捨てられた)という実体験が深く根ざしている。

孫たちを迎えるジジババ、一見包容力ありそう、かつ優しさに包まれたなら風の見た目ですが、夜9時半を過ぎてからの出来事からなんだか様子がおかしくなってくる。家にも立ち入り禁止区域が結構あったり、不穏な空気が徐々に浮き彫りになってくる。

それから1週間後の展開は、まあ良くある豹変ものスリラーの定石に収まっているので目新しさは無いですが、難局を乗り越えんが為の子供らのコンプレックスからの解放があり、モヤモヤしなくてよかった。Tダイヤモンドの克服はかなり衝撃的ですが…

アンブレイカブルを撮り終えた後の、シャマランの原点回帰的作品なので、大作感はありませんが、スリラーの定義を見つめ直すには良い作品でした。

真夜中の病室で見たら尚…
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