櫻イミト

メアリー・ピックフォードの シンデレラの櫻イミトのレビュー・感想・評価

3.0
サイレント期ハリウッド最初のスター女優、メアリー・ピックフォードの最初期長編で、彼女の人気を決定づけた作品。身長154cmと小柄な彼女は小さなガラスの靴を残すシンデレラ役に合っていたと思う。

物語はディズニー映画のシンデレラとほぼ同じ。現在視点で見てしまうと、前半のシンデレラの苦難が少ないのがドラマとしては物足りない。しかし当時としては、カボチャが馬車に、ネズミが兵隊に変わるファンタジーの大作であり、大勢の家族が楽しんだことだろう。ちなみに本作がアメリカで公開されたのは、第一次世界大戦が勃発した1914年のクリスマスシーズンだった。

唯一、シンデレラが時計の悪夢を見るシーンは独自のもので、映像も工夫していて微笑ましかった。

最初のシンデレラの映画化は1899年、メリエス監督による6分ほどの短編だった。それから15年後の本作がシンデレラの最初の長編である。比較して観たことで映画黎明期の急激な進化が実感できた。

※チャーミング王子(すごい名前!)を演じたオーウェン・ムーアは当時のピックフォードの最初の夫

■同年1914年の映画
「成功争ひ(生活法)」チャップリンのデビュー作
「ファントマ」連続活劇
「ポーリンの危難」連続活劇
※翌1915年に「國民の創生」
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