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ベトナムの風に吹かれてのodyssのレビュー・感想・評価

ベトナムの風に吹かれて(2015年製作の映画)
3.2
【色々な人物と問題が交錯する映画】

日本・ベトナム合作、大森一樹監督作品。

新潟県に住む老母(草村礼子)が認知症になったため、ベトナムで日本語を教えている中高年女性(松坂慶子)が引き取って面倒を見る、というお話。実際にそういう体験をした女性のエッセイが原案になっているとか。

ベトナムに暮らすヒロイン(松坂慶子)の仕事ぶりや、彼女をとりまく日本人とベトナム人の交流が描かれている。

また、第二次大戦中にベトナムに来て(仏印進駐)、日本の敗戦後はベトナム独立に協力して戦い現地女性と結婚して子供ももうけたものの、諸事情から日本に帰国して別に家庭をもうけた老人の孫娘(藤江れいな)が、寝たきりの祖父から頼まれてベトナムに残した家族に会いにくるという話も入っている(これも実話がもとになっている)。

また、介護の仕事をするために日本に渡ったベトナム女性が、難しい漢字(「襁褓」など)の読み方に阻まれてなかなか資格がとれないという話題も登場する。

色々な人間が色々な問題をかかえて生きている。 
ただし、むずかしい問題意識ばっかりでできた映画ではなく、ほのぼのとした日本人とベトナム人の交流がメイン。肩肘張らずに見ることができる作品だ。

ちなみにヒロインを演じる松坂慶子さんは私と同じ年の生まれ。この年の生まれには小池百合子・都知事もいる。いずれも美人ながら残念ながら私とは面識がないけれど(笑)。
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