酢

シン・エヴァンゲリオン劇場版の酢のレビュー・感想・評価

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成熟と未熟、計算高さと天然、目配せと踏み外し、説明とハテナが渾然一体となった未曾有のヘンテコ映画。普通に楽しんだけどクソのような気もしつつ、「誰の目にも明らかな形でエヴァを終わらせる」という庵野秀明の気概にあてられて感動してしまった。あっぱれ。



だけど、24歳のギリギリ若者としては、エヴァの終わりに青春の終わりを託す義理はないと明言しておきたくもなる。この映画は少年少女へ向けて作られた「成長」の物語では決してない。この映画は老境に差し掛かりつつある中年に向けて作られた「慰め」の物語に過ぎない。彼らには彼らの辛苦や吐露があるだろうけど、我々世代のエンタメは我々自身の手によって作られてほしい。
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