きーとん

シン・エヴァンゲリオン劇場版のきーとんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます


こんなん泣くに決まってる。
いろんな場面で泣いた。
庵野監督のエヴァ愛がひしひしと伝わった。

さようなら。

以下ネタバレ。

希望の槍を持って挑み挫折し、唯一の心の支えだったカヲルを失ったQ。DDSチョーカーに対しトラウマを持つのも無理はない。
挫折したものの、自分の意思で槍をもう一度生み出し再び希望を求める所が良かった。

過程の大切さが問われているのではないだろうか。
シンジに行為を抱くようプログラムされていた「アヤナミ」は序、破の過程で「綾波レイ」であったが、Qの「仮称綾波レイ」は同じく好意を抱くプログラムはあっても全く別の人格だった。そして今作、シンでの「仮称綾波レイ」はQ、シンの過程を経た人格であり、序、破とは全く異なる人格であった。
序と破の「綾波レイ」
Qとシン「仮称綾波レイ」
で「アヤナミ」を通じた人間形成がなされていたのが印象的だった。

シンジは「綾波は綾波だよ」と言っていたが、考えた末の正直な結論であったと思う。
「綾波レイ」も「仮称綾波レイ」もどちらも知っているし、でもアヤナミだし、とどこか割りきるような姿勢はシンジの成長を感じた。

どんな過程であれ人間形成がされていく。ゲンドウが語ったあの過程がゲンドウを作っている。
過程の重さ、記憶の重さを感じた。


個人的に破でマリに大注目しておいたのが正解だった。破でもQでも今回でも大活躍。追加キャラクターがここまで活躍した事に感動。

宇多田ヒカルも最高なんだけど、
松任谷由実、吉田拓郎と曲のチョイスが個人的にドストライク過ぎる。選曲のセンスが天才。

冒頭のどこか戦争映画の空気感を感じさせるような世界で、シンジくんにずっとやさしいケンスケ、トウジに泣いた。
トウジ、ケンスケは本当に良かった。

幼児のように何でも問いかけ何でも吸収し村の人と成長し、最期を迎える仮称綾波に泣いた。

贖罪の気持ちをずっと持っていながら、最後はシンジくんを助けたミサトさんに泣いた。

ミサトさんの評価急上昇。贖罪の想いを行動にした本気に痺れた。最後までシンジくんに寄り添ったミサトさんに泣いた。

加地さんとミサトさんの間に産まれた子供とシンジくんの写真に泣いた。

これまでの不遇が報われ、ケンスケと共に生きるアスカに泣いた。
アスカは本当に最後報われて良かった。

こんな世界にしたシンジを殺したいほど憎むが、シンジが動かなければ、そもそもこんな世界ですら生きられなかったというジレンマに苦しむサクラに泣いた。
これは「自分の家族が米兵に殺された。戦争の後はその米兵相手にものを売って生きてきた。」という沖縄の心情とどこか重なった。

最後は自分の子供に気づかされ、シンジに謝り、シンジを抱き締めたゲンドウにも泣いた。

アスカのことに逃げずに向き合い、アスカに自分の気持ちを伝えたシンジの成長に泣いた。

シンジの「もう泣かない」に泣いた。

とにかく泣いた。

ゲンドウ自身の語りのモノクロのシーン
バーチャルな戦闘シーン
波打ち際のラフ画シーン
出発の駅の実写のシーン
それぞれ魅せ方にこだわりを感じた。
特に実写のシーンはエヴァのいない世界を表現してるのだろうか、なんとも印象的だった。

アニメシリーズが一気にでてくるところで鳥肌がたった。

カヲルくん目線でエヴァンゲリオンという作品全体をみてみるとさらに泣ける。シンジの幸せ(エヴァが必要ない世界)のために何度も何度も死んだ。
そして、今作でシンジが自分の意思で幸せをつかんだ。カヲルくんの立場でシンジくんを見ていると、泣けてくる。
めちゃくちゃ良い物語。

ながーーーーーーーく待った。
待った甲斐があった。
よく分からない内容が全部明らかになった訳じゃない。でも、全部まとまった。
ハッピーエンド最高。
見て良かった。

シンジくん良く頑張った。とても成長したね。お疲れ様。と声をかけたい。
今度はシンジくん自身の人生を生きて欲しい。

神木隆之介のCVでびっくりした。

P.S
結界への突入シーンはなんだかラピュタのゴリアテvsタイガーモスのシーンと重なった。

ゴルゴダ!?ウルトラマンきた!と思った。
エヴァ13号機はダブルエントリー
ウルトラマンエースは北斗隊員、南隊員の2人が合体変身する。このエースの設定がオマージュされているのでは。
13もポイント。
ウルトラマンエース13話「死刑!ウルトラ5兄弟」でゴルゴダ星が登場し、そこで4人のウルトラマンが十字架に磔にされる。

6/12再度観賞
「涙で救えるのは自分だけ」
「もう泣かない」
ここはやっぱりめちゃくちゃ泣ける。
きーとん

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