ぷる

シン・エヴァンゲリオン劇場版のぷるのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

超ネタバレ注意




難解な展開や情報の洪水は所詮は設定資料集を買わせるための方便に過ぎないので、本作を見て感じたことを正直に書きたい。
後に公式見解が出回り、仮にここで的外れなことを言っていたとしても構わない。

大層な肉付けをしているが、結局、本作が言いたかったことは「何アニメにマジになってんの?バーカ!」という旧劇時にやったことの二番煎じに過ぎない。
旧劇時はハンマーで頭を殴られたような衝撃があったが、本作に対しては「またこんなのか…」とゲンナリした気分しか感じなかった。

アスカ絡みの展開も、オタクへの嫌がらせが主たる目的で物語へ深みを持たせる意図が優先だったとは思えない。
確かに、ファンの予想と期待を裏切り、新しすぎるアクロバットを披露してきたエヴァシリーズらしいと思うが、こういった展開はみんな一度は考えたけど誰も得しないからやらなかっただけだ。
それでも、旧劇時は演出と作画による有無を言わせぬ凄みで押し切ったが、本作にはそれが感じられなかった。
特になんだあのラストバトルは。意図したとなんと言われようが単なる手抜きにしかみえないわ。

そしてラスト。
「新劇世界は浄化され存在し続け、アスカは残り、レイカヲルは新世界へ旅立った」という事だと思ってる。
ただ、Qで「記憶と経験の連続性が無ければ例え似姿が同じでも同一人物ではない」、「槍でやり直す事の否定」を描写し、暗に世界改変オチを否定したのはなんだったんだろうとモヤっとした。(この辺も後に考察が出回ると思うがどうでもいい)
何より製作陣に、「序の頃からこの幕引きに決めていたのですか?」と伺いたい。
この手の幕引きは着地点をこうと決め、積み重ねがあって成立する物で、場当たり的発想でやっていい物ではない。
とは言え、二次創作やエヴァフォロワー作品達が散々やり尽くした後、エヴァらしい幕引きを考えなければいけなかった製作陣の苦労もわかる。

なんやかんやでいいシーンもあるけど作中で「アニメのキャラなんて所詮お人形さんだぞ」と暗に言ってしまってるので良い面までも虚無に帰り、残ったのは監督の自己満だけになってしまった。

旧劇は凄みのある自慰行為、即ち「凄ニー」だったが今作は虚無的自慰行為「虚無ニー」にすぎない。

結局、僕はエヴァに崇高さ、ましてや監督の精神世界との対話など求めていなかった、ただ、地に足のついたアニメとして終わるエヴァが見たかった。
訳わからんかったというのが正直な感想だが、人の褌を借りてわかった気になるくらいなら僕は「幼稚で痛いオタク」のままで構わない。

最後にこれだけは言っておきたい。
所詮エヴァなんてオタクが美少女でシ○る為の作品で一般層の皆様が大真面目に評論するような作品じゃないぞ、みんな正気に戻れ。
ぷる

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