このレビューはネタバレを含みます
もやもやしたので2回見ました。
その上での感想。
エヴァ史上初めて「生産」が描かれたストーリー。
前半の田園風景に対する描写は「消費」しか描かれてこなかった過去のエヴァに対して明らかに違う主題の作品だった。
※これは宮崎駿との風立ちぬを通じて庵野監督が得たインスピレーションなのかも?と。
仮に師と仰ぐ宮崎駿を父と仮定すると
今作のシンジくんのゲンドウに対する向き合いにも少し説明がつくかもな、と思った。
父を克服し、超えていく。
宮崎駿を父とするなら、アニメのリアリティを宮崎駿監督から受け取り、その上で違う道を目指す。超えていく。
そういう風に見えてならなかった。
果たして成功したかどうか。
そもそも乗り越えようとしたのか。
それはまた長い年月の中で、気がついたり、見えたりするような気もした。
旧劇から抜け出すことなく
正面から新劇をつくり、完結させる。
その意志の中で「消費」としての戦闘は鳴りを潜め、電力を使わず、街を壊さなかった。
絶望をシンジくんに背負わせることなく、ゲンドウがすべての絶望の象徴として君臨する。
「楽な虚構の中から現実に向き合う」というコンセプトはずらさず、実直に完結させるという意志、気合。
そこに気がつくのに私は2回の視聴が必要だった。
さよならはまた会うためのおまじない。