たく

シン・エヴァンゲリオン劇場版のたくのレビュー・感想・評価

4.5
エヴァが終わった。ほんとに終わった。それも神技みたいな見事な終わらせ方で。

TVシリーズを取り憑かれたように繰り返し見て、旧劇でモヤモヤ、序でワクワク、破で胸熱、Qでつまずいていったん冷めたエヴァ熱。シンエヴァの予告が劇場で流れても何を今さらって感じで白けてたんだけど、いざ観るとなると胸が躍ったね。
そして観賞後は放心状態。

9年間のブランクを埋めるような過去作の振り返りに続き、Qと同じくマリの鼻歌混じりのミッションから始まる冒頭からツカミばっちり。ここでUSB端子の差し込みを間違うアルアルに笑った。
冒頭映像を先行公開するのはQと同じで、映像は派手だけど本質的なネタバレになってないのが上手い宣伝手法と思った。

Qのラストを引きずって相変わらずイライラさせるガキシンジと、人とのコミュニケーションを一から学んでいくレイとの対比が印象的。この仮初めの日常パートを含めて全体にドラマとしての緩急バランスが良く、2時間半の長さを感じさせない職人的な構成に恐れ入る。
TVシリーズ第一話でゲンドウがシンジを上から見下ろす非対等的な関係が、巡り巡って25年後にこんな形に収束するのが見事すぎて震えた。

気になったのは、登場人物が物語の背景をセリフで説明しまくるのと、新劇に共通するCGの使い過ぎで不自然に見えるシーンが多かったことかな。セリフで説明されても良く分からない自分は、これから解説サイトを求めてネットを漂うことになるんだね‥。
たく

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