ぷん

シン・エヴァンゲリオン劇場版のぷんのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

シンジ28歳になる

色々な設定諸々は置いといて、
とりあえずモヤモヤしてたシンジくんが28歳になった、本当にこれに尽きる!

分量がエグいので構成に分けて書いてます
お好きな部分だけお読み下さい🙌
※継ぎ足し継ぎ足しで書いてるので更新されてることをご了承ください

■アニメエヴァの思い出話
エヴァには中学生の頃に序が公開されてその流れでアニメを見た、ど直球の表現にはビビったし、その後深夜アニメを見るようになったけどエヴァと同等の感動を覚えたのはジブリくらい
哲学的なセリフが好きで25、26話をセリフを覚えてしまうくらい見直して、旧劇場版を理解出来るまで何回も見ていた
シンジくんの「我思う故に我あり」の哲学に気づき、みんなが肯定する最終回には当時、理解できないながらも、何か自分に足りてない部分のヒントになるのでは無いかと思い理解しようと努力した。
別に逃げたって良い、戦って良い、自分が選択するのは自由だということに、当時の自分は衝撃を受けた。気づいたら親や先生に従い大事なことは何も自分で決めてこなかったことに気づいた(理解出来たのはもう19.20歳くらいだったけど‥笑)
今は好きな事が出来てることに誇りを持ててるし、中学生の頃にエヴァのあの哲学に出会えて良かったと思えている

■新劇場版について
新劇場版はというとリバイバルだと思ってたのが破からガラッと変わる構成に声を出して驚いた
(あの破のテンポ感は君の名はや天気の子の新海誠に引き継がれてると思う)
アニメーションの素晴らしさ、特撮愛、音楽の使い方、声優の迫力、アニメ版に負けないクオリティだった
ただ、アニメ版のストーリーのプロットは変わっておらず、それを気づかせない脚本力は本当にお見事

■本作の前に大人になって、エヴァを見直してみた

シンジくんってウジウジしてて、男らしくないイメージだったけど、本当はそんなことなくて、誰かを守れたり、周りを見渡して子供ながらに状況を理解して相手の心を読み解くのが得意な頭の良い少年ってことにようやく気づいた
あと、大人たちは14歳の子供に押し付けすぎ、夢を託しすぎとも思った、荷が重すぎる、そりゃ14歳の少年は精神もおかしくなるよな、14歳を殺戮兵器として国が利用する、なんて冷静に考えると‥

アニメ版は大人たちが身勝手過ぎるなって思ってる、貴方の力で世界を変えろ!なんて別にそう思ってない少年にそんなこと叩きつけてもそりゃ動かないよね、昭和感を感じた

ただ、シンジくんが自分の力で何通りもの可能性を開くことができると気づいた事、それ自体は新劇場版でも同じ着地点出会って欲しいと思った
この作品の本当に伝えたい部分はそこにあるし、個人的にエヴァから大きな影響を受けた部分であるから改変などしたらエヴァからまた一向に脱却出来ないとも思ってしまった笑


■エヴァQについて
14歳の冷静な男の子なんてそんなもの、今回はややあって28歳になれた
この「ややあって」がアニメより最悪なサードインパクトを起こし人類を壊滅状態にさせるってパターン+友達全員殺しだった

今回の新劇場版は旧劇より最悪なのである、トウジやケンスケ、そのほかの人々まで殺してしまったのでは?というシーン、さらに助けたと思ってた綾波さえ、結局助けれなかった、アスカもボコボコにしたし、信頼していた友達カヲル君までも殺してしまった、あの水族館に行った友達全員を痛めつけるか、殺してしまった罪の意識をシンジくんが抱え込んだのだ
今回の新劇場版はQでは「究極の最悪」を「シンジくんが選択してしまった」のである

個人的にQで一番大事なのは14年後という設定
なんで14年なのか?
14年経ってなければならなかったのか
それはシンジが「28歳の大人になる」必要があるということだ
アニメ版エヴァでは14歳のシンジくんが真理に辿り着く物語、ただ、14歳が自分を肯定するというのは違和感がある。
10代はまだ多感な時期、己を見つけ出すのは20代後半、自分の選択に間違いがなかったことを肯定できる年齢まで引き上げる必要があったのだと思う

■シンエヴァを見る前に考察した事
庵野秀明監督は破壊をテーマに作品を作る、破壊された後に何が残るか、一番大事なものが残ることを光としている。

なので、シンジくんが選択してしまった、大きな罪を肯定する映画になるのでは?と考察した
理由は置いといて、友達を殺してしまった事、罪のない大勢の人の命を奪ってしまった事をシンジくんは結果として選択してしまった

大災害があって悪いことだらけでは無いという事もある
東日本大震災で多くの命が奪われた、それによって核燃料の必要可否を考えるポイントにもなったり、津波や大災害の恐れを回避するよう技術も大幅にあがった、今回のコロナでも自宅でも仕事ができる事に気づけた、人々がよりお互いのことを気にして生きるようになった等
綺麗事かもしれないが、明日を生きるために人間は前に進もうと努力してる

だからシンジくんのした選択も悪いことだらけじゃないってことに気付かされるのでは?というのと、あの時はこうせざるを得なかった、結果的にこうなっても悪いことをしようと思った訳では無い(むしろ良くなるためにした行動である)、自分のあの時した選択が全て間違ったという訳では無い。ということにシンジくんが大人になって気付ける映画である事を望んだ。

■シンエヴァについて
あのシンジくんが
アニメ版だったら、結構シビアでキツめな言葉を色んな人から投げられたけど、今回の映画はみんな28歳になったということもあって、発言が大人。
あと新劇で思ってたけどマリ、キャラ的にいてくれてありがとう感がすごい!あのどーになるっしょキャラ、あのアニメであのポジション絶対必要笑 

からの、
「なんでみんなこんな優しいんだよ!」
「碇さんに助けられた」
「結果そうなっただけ」
「あの時の決断は間違ってない」
の台詞は号泣ものだった

そう、冷静にシンジくんは別に間違ってない
ただアスカが怒ってた原因だったように、
自分で選択しなかったこと、言われたことをやってるだけ、
ということが最大の罪だったのだ

今回の新劇場、アニメ版と比べて、
これほどまでにわかりやすく説明してくれるのは非常に有難かったし、庵野秀明が現実描写を最後多用していたことに「リアリティの中で成長する」、アニメという空想の世界ではなく現実で成長していくことを良しとするように促してるようにも感じた

庵野秀明の故郷の駅から出発する最後、また新たなスタート地点であることを意味してるようにも感じた。

アニメ、もうやんないのかなーー
ぷん

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