ヴぇる

シン・エヴァンゲリオン劇場版のヴぇるのレビュー・感想・評価

3.5
90年代から時を同じく共に歩んできた結果、当時の尖っていた評価されていた点は最近のシネコンに書き換えられており、味のある作品とは言えなかったが、全体的にエヴァの風味は失っておらず、解説も的確であり見やすく分かりやすい内容になっていた。

ほとんどの謎は解明され判断を最終的に視聴者に委ねたのも悪くない選択であり名作の条件のひとつは満たしている。

さらに、全ての登場人物にある程度の決着が付いており残り少ない時間でよく軟着陸させたと感心した。
長い長い物語の完結としては大きな批判も出ずうまくまとめていたと感じる。
特に主要人物に対してのアプローチはキッチリ扱っており求めていた心の声や葛藤を描ききっていたため物語の完結としては視聴者の腑に落ちる形に仕上がっている。
彼ら彼女らの思いの丈の一言一言は心を打つものばかりであり、長年見守っていた視聴者側にもその言葉の重みは届いてきた。

ただやはり気になったのは拳銃のシーンでの三文芝居が安すぎたため拍子抜けどころか気持ちが離れてしまうのを抑えるのに難儀した。名前すら出てこないが、ピンク髪のモブ少女は出さなかった方が正解だっただろう。
加えていえばCGIや3DCGの落差が余りにもなシーンもあったため少し残念な気持ちもある。

しかし、上記の2点さえ除けば質は確保はされており、長い長い物語の完結としては納得のいく出来であった。

総評としては、監督に対してとにかくお疲れ様と声をかけたいし、良くぞまとめてくれたとも思う。満足感溢れるエヴァの最期であった。
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