NaoMaru

シン・エヴァンゲリオン劇場版のNaoMaruのレビュー・感想・評価

4.0
庵野秀明 総監督作品

TV版や劇場版を通して、初めて「エヴァンゲリオン」を観賞した。NHKのドキュメンタリー「プロフェッショナル」で視聴した庵野秀明の熱量に心打たれたのがきっかけだ。作品をどのように作っていくのか、スタッフをどうまとめていくのか。最後の責任はすべて自分にあるという覚悟。自分の命より作品が重要という作品至上主義。庵野秀明は間違いなく映画史に遺る逸材である。

映画を観たあと、遅まきながら新劇場版シリーズ3本を観た。大まかなストーリーは把握できた。遡ることで多くの疑問も解消された。哲学的、宗教的なエッセンスが難解さを増してきた。心地よい難解さであるが。テーマは親と子、恋愛、友情、組織と使命、環境問題など多岐に渡り、いろいろと考えさせられる。登場人物の魅力は言うまでもない。各人物の萌えの描き方が絶妙だ。

例えば、綾波レイのたどたどしい日本語と、少女から女性の途上にある美しい肢体。最期は戦わずして亡くなる、あまりの儚さにいつまでも記憶に遺るシーンになった。今回は碇シンジの弱々しさが特に際立っていた。引きこもりそのものの様態。最後は戦う決意をするが。そして父親と息子の対峙。ここを乗り超えないと大人になれないんだ。TV放映から26年の歳月。ラストの実写シーンは現実に戻り、シンジのように、自立して歩んで行こうというメッセージに思えた。
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