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Few of Us(原題)のUnrelatedのレビュー・感想・評価

Few of Us(原題)(1996年製作の映画)
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「ヘリコプターの窓から、どこまでも続くサヤン山脈を見つめる若い女性。文明が発達せず、神に見捨てられた小さな民族、トファ族だけが住むこの土地で、彼女は何を探しているのか。」

というあらすじがDVDの裏面に記載されているが、特典にあるインタビューで監督は「この作品では、カテリーナ・ゴルベアのストーリーは分かりませんし、この若い女性がなぜそこにたどり着いたのか、その前に何があったのかも分かりません。」とおっしゃっており、ストーリーについては観客の想像に委ねる形になっている。

また1つ1つのカットが長く、画面全体を把握するのは容易。どういう場所なのかしっかり把握できる。住民を乗せるトナカイ、衣類に隠されたお酒、神様が存在すると言われている川…など。インタビューとともに鑑賞すれば土地についての知識が増え、想像の幅が広がるだろう。(ちなみにトファ族のトファは、「男」という意味らしい。)
さらに、そこに人的要素を加える。ただ加えるだけでなく、顔をクローズアップし、息遣いなど人間から発する音を観客に聞こえるようにしている(自然音も同様)。そこから誰しもが感じる「気持ち」が現れる。
クローズアップについて、トナカイに乗っている住民を例にすると、顔だけでなく目を写すクローズアップがある。「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるくらい目をクローズアップすることは、想像の幅を広げるために重要なことなのかもしれない。

最後にこの作品で一番驚いたことは、猟銃(?)で撃たれた男性役をしているのは日本人で舞踏家だということである。
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