このレビューはネタバレを含みます
酒、女、タバコ、喧嘩、少し野球。
ただひたすらのバカ騒ぎをリズムよく撮った映画
現実が始まるまでの享楽的時間を切り取った快作。とにかく楽しい。一年生の主人公の目線に立って最高の大学生活の入り口に立つ感覚を味わえる。
しかし、そんな空間は長くは続かないことも暗示される—「今を楽しめ、長くは続かないから」。現実派と語る先輩の存在はこの時間の虚しさを倍増させる。
物語は主人公が気持ちよさそうに眠っていくとともに閉じられる。彼は微睡の中に留まったままだ。この後どんな人生を送るかは全く分からない。いや、そもそもキャラクターの背景やアイデンティティも掘り下げられることはない。ただただ楽しい時間。ただただ楽しい映画がそこにある。