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エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にのtubure400のレビュー・感想・評価

3.8
リチャード・リンクレイターの映画といえば『ビフォア』シリーズと『Boyhood』が印象深い。たしか『Boyhood』は主人公が大学生になって、異様に素敵そうなルームメイトとかと出会って、これから、俺の大学生活が、始まる…!みたいな感じで終わったような気がするけれども、『Everybody Wants Some』は時代設定こそ違えど、その後日譚(数日分)という感じの映画だった。

ついこの間観た『スクール・オブ・ロック』もリチャード・リンクレイター監督だったけれど、共通しているのは不思議なほどのシニシズムのなさと、登場人物の造型の魅力的なところだ。なんとなく登場人物がなんの必然性もなくみんないい人…みたいな映画が、逆に非・人間性を感じさせるのと対照的に、リンクレイターの映画の登場人物は、みな過剰なほど人間的で、異様なほど多弁で、キラキラと輝いている。ほとんど大したことを喋らない登場人物にさえ、確かに役割と、細やかなdetailが与えられている。だからこそ、特にストーリーがないにも関わらず、目が離せないし、爽やかな後味が残る。現実がこのようだとは思わないけれど、世界がこういうふうに見えたら素敵だろうなという映画だった。
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