かりんとう

私はゴーストのかりんとうのレビュー・感想・評価

私はゴースト(2012年製作の映画)
3.3
ほぼワンシチュエーションで描くスリラー。
低予算ながらよく作り込まれていると思う。
陽光差し込むゴシックな洋館で淡々とゴーストの女性が日常を営むというのが不思議な雰囲気でなかなかに斬新。

物語が一気に動き出す終盤までは、彼女の日常のエンドレスループを観せられていささか眠くなってしまうが、この女性が延々と生前の記憶を追体験をしているという描写が必要だったのだろう。

無宗教論者の自分としては、彼らが「成仏」するラストシーンが非常に腑に落ちた。
温かい光に導かれて? 御仏様のご加護の元?
それって生きてる人間の想像でしかない。
善良な人間は天国に行ってほしい。生前に悪行を営んだ者は地獄に落ちるべき。
生きている人間はそう願うが、結局のところ死は全ての人間に対して平等な「虚無」なのかもしれない。