このレビューはネタバレを含みます
コレってこう楽しむ映画じゃないだろうけど、画作りが素晴らしい。小津とかキアロスタミとかに感じられる図形的な美しさを持つ画面がずっと続く。なんていうのかわからないけど(最小)単位ごとの組み合わせによる美しさ的な感じ。曲線、直線、前後ろ、上と下、円、動いたり止まったり膨らんだり縮んだりする単純な運動、二つのものが連動したり、反復されたりする。(22分20秒の椅子に夫婦が同時に腰掛けるシーンは東京物語24分17秒の夫婦が同時前に屈む瞬間をおもいだす。)カメラの位置が全てセンスが良くて周りの図形と調和してる、必ず直線とか奥の絵とかのこだわりがあってめちゃくちゃ気持ちいい。そして、少し遠めにカメラを置くことで画面内に何個も運動が起きていて楽しい。だからデカめの画面で見た方がいいなーって思う。そしてさらに色使いも凄い。これは他の作品でもタチがしていることだけど必ず風刺がたくさん見つけられて、現代建築に住む家族もその対象の一つで、そのモダンアートな家にもこうやって興奮させられているのは監督の意図の逆を言ってるような気もしてきた。が、このモダンアート家以外にも沢山の美しい画面はカメラの位置、レイヤー、建築、生物、テンポ、などなど本当にさまざまな要素で成り立っているから、まあ大丈夫かな。ぼくのおじさんの休暇ではあまりこの画面の美しさが感じられるず惹かれなかった。
ユロは挙動や大股の歩き方やなにかの失敗の仕方など、細部へのこだわりがすごすぎてキャラ作りがマジで衝撃的に上手い。
ユーモアのセンスは乗り切れないところがあるのは否めない。それと画の美しさはあるとして、テンポが遅かったりするところがたまにあったりして飽きかけた。