Jeffrey

ホース・マネーのJeffreyのレビュー・感想・評価

ホース・マネー(2014年製作の映画)
4.0
‪「ホース・マネー」‬
やっと円盤化されたペドロ・コスタ監督の「ホース・マネー 」のBDがIVCから発売され届く。国内未公開短編「O NOSSO HOMEMわたしたちの男」も収録されていて嬉しい。どちらも未見で初見する。にしてもさ2015年公開作品が4年後に発売って遅いよな…劇場見逃したのも悪いがスパンが長い…。
‪冒頭、数枚のスチル、ポートレート。何かの音が聞こえてくる…足音だ。ここは地下牢であろうか…いや病院なのだ。一人の男性が暗然なトンネルを徘徊。奥行ある画、静寂の極み、クローズアップ…本作はP. コスタが撮り上げたドラマで念願の初鑑賞したが過去作のヴァンダの部屋やコロ‬ッサルユース等一作も観た事がない為、本作を比較して評価は僕には残念ながら出来ない…結論本作は僕が観た彼の作品の傑作になった。冒頭から引き込まれる陰影な場所と主人公の暗晦さが描破してる点に驚きを隠せない…中盤の手のショット、黒を基調に男女の会話、故郷で飼育してた一頭の馬の記憶(因み‬に題名のホースマネーは馬の綽名らしい)、移民としての生活、日常のふとしたワンシーン毎に彼の美学が感じ取れる。まるで廃墟化したかの、有様を漂わす病院は社会から爪弾きにされた人々の溜り場に見える。劇中アフリカ系の人が多く見受けられ、米国のBMとは違いなんか新鮮に感じるし、やはり民族に欠か‬ せない歌が強調されてるのは象徴的である。ポルトガルの軍事クーデターによるカーネーション革命を知っていると尚更この監督の思いが伝わる。最後に監督は小津安二郎を敬愛してる様で嬉しい。コスタ初期作全てBDで発売して欲しい。全て制覇したいと思うほど素晴らしい作品だった「ホース・マネー」は!‬
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