古代インドのマヒシュマティ王国。川に流されていた所を滝下の村人に救い出されて逞しく成長した青年シヴドゥ。駆け上がった滝の上で自らが王位継承を巡る骨肉の争いに巻き込まれて死を遂げたかつて人心を掴んだ偉大なる覇者バーフバリの息子であることを知った彼が、その運命を取り戻す様を描いたインドの叙事詩的映画の第一弾です。
次作『王の凱旋』がインド国内の歴代興行収入ランクで堂々一位に輝く大成功を収めた冒険譚の始まりで、物語の序章でありながら王国を追われた王族の子が自らの出生に気付き使命に目覚める王道の貴種流離譚を、インド映画らしい猛々しいミュージカル演出とVFXを多用する派手なアクションで彩って終始ハイテンションで飛ばしてきます。
思わず「そんなわけないやろΣ(~ロ~)!」と声に出てしまう様な実写映画よりは漫画やアニメのレベルのアクションや展開が続いていきますが、空間を縦横無尽に動き回るカメラが捉えるスケールの大きい物語は圧巻で、すぐさまその世界観の虜にさせられます。始まりから終わりまで一息つく隙もなく光彩を放つ力強いアドベンチャー映画です。
