Masato

僕だけがいない街のMasatoのレビュー・感想・評価

僕だけがいない街(2016年製作の映画)
3.5
最近の漫画実写化は面白い。
今作も期待して鑑賞

原作未読

作品自体は楽しめたが、出来は普通以下。

まず良いところは、程よくミステリーの快感があります。ミステリーなのでなかったらおかしいですが。
言いたいのは、分かり易過ぎず、難解すぎず、一般人からしたら良いタイミングで犯人が分かるところが良かった。

リバイバルという過去に戻って、未来を変える。私の弱点です。バタフライエフェクトが好きすぎてタイムリープ物は基本楽しく見れます。
名探偵サトルくんが面白い。

そして、リバイバルして戻った少年時代の微笑ましさが堪らなかった。
本作のキーとなる雛月さんと主人公の段々と距離を縮めていくのがキュンとします。
小学生の恋愛って最近はマセてきてますが、少なくとも私のイメージとしては純粋な恋があります。
母親を助ける為に友達になったが、次第に恋心に目覚めていく感じが早い青春な感じがして良い。
どうせならこれをメインで映画化してくれないか?と思った。

テーマもかなり時事的で、少女誘拐や殺害。昔から、最近でも小学生が殺される事件が多々ありますね。犯人は変態的というか、変わった思想があるということが描かれていました。だから、いつまでも絶えない普遍的な事件であると考えられました。
主人公が、現代的な自分の心を閉ざす、所謂コミュ障っぽい部分から、「助けたい」という心から段々とその「薄い膜」が取れていく姿が見れた。
普遍的なテーマと現代的な部分を映し出した点が良かったです。

悪い点は、主人公の目的が徐々に変わってきて、母親を助けたい一心だったのが、犯人を捕まえる一心に変わってしまうのが残念です。
最終目標が展開ごとに変わってしまっているため、ラストのカタルシスが分散されてしまった点が惜しい。

そして、有村架純の存在意義が薄い。もうちょっと過去とかに関わってくれれば面白そうだったが、薄いせいで終盤の展開に感動を覚えない。

最後に、オチが好きじゃない。そんなオチにしなくていいのではないかと思ってしまう。それで、今まで築いたものをアッサリ終わらせてしまう。若干消化不良気味に終わった所が残念。


藤原竜也の演技力。いつもの演技ですが、それなりになりきれてました。有村架純やその他多くの豪華キャストが脇役に揃ってて、キャスティングはよくできていました。


作品自体の設定の面白さもあり、最後まで楽しめました。
ですが、所々で粗が目立つ映画でした。
遠目に見れば普通に面白く感じれます。
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