スローターハウス154

あまくない砂糖の話のスローターハウス154のレビュー・感想・評価

あまくない砂糖の話(2015年製作の映画)
3.8
2020/5/16

健康上に多少の不安を感じる私はこの間観たドキュメンタリーの影響を受け、モノは試しとさっそく実生活で実践している。動物性食品を摂取しない食生活を。つまりビーガンである。肉類や乳製品、卵等を避ければ概ね何を喰っても構わないのだろうという認識を踏まえ、その代わりに砂糖を含む非動物性食品に心を許した今日この頃。しかしその「砂糖安全神話」は早くも崩壊を迎えつつある、このドキュメンタリーによって...。いや、普段の砂糖摂取量が安全なワケがないということは以前から薄々気づいてはいたが、こうして視覚的にシッカリと危険を確認することで退路を絶たれたという感覚を抱いた。...とかなんとか言いながらこのレビューを書いている間、『つぶグミ』なる砂糖の塊が一定のテンポを保って口の中に運ばれていく現実に、自らの理性の脆弱さと人間の矛盾性を突きつけられているnow。
肉も魚も乳製品も卵もダメ、そして砂糖もダメ。じゃあいったい何が喰えるんだ...と内心orzなのは当然。つまるところ、原始に戻れと考えればいいのだろう。狩をしない原始に。そもそも、今の人類の味覚は異常発達なのだと思う。その味覚の暴走に身体がついていけない状態が、現代病を引き起こす。加工されたモノではなく、素材そのものの美味しさを感じるようになれば一番良いのだが、そこまで到達するのは一筋縄ではないだろう。いっそ味覚が消失してしまえばビーガンや砂糖断ちの生活へ一番手っ取り早く切り替えられるのに。
私の食生活への意識がさらに厳しくなりそうな気配と共に、味覚の功罪についても考えさせられました。