七沖

神様の思し召しの七沖のレビュー・感想・評価

神様の思し召し(2015年製作の映画)
4.0
ユーモア溢れるヒューマンドラマだった。

医者を目指すものだとばかり思っていた息子が、ある日突然神父になると言い出した。父親のトンマーゾは息子が通う集会を見に行き、人気者のピエトロ神父から影響を受けたと睨んで彼の素性を探り出す…というストーリー。

理解出来ないものを批判する堅物のトンマーゾが、ピエトロ神父と接していくうちに色々な物事を拒絶せずに受け入れようと成長していく。最初は「タダで診察させる気か」と患者を冷たくあしらっていたトンマーゾが、たまたまピザ屋で居合わせた他人を気遣い診察する様子にほっこりした。

大人になるとある程度自分の考えや価値観が固まってしまうけれども、大人になってからでも、それこそ老境に差し掛かってからでも、人は成長出来るし変われるんだというメッセージを感じた。

ラストの答えは観る人に委ねられているが、ハッピーエンドだと信じたい。木の枝から果実が落ちる描写は普通に考えるとバッドエンドを想像させるが、この映画に限っては逆のはずだ。

宗教を扱う映画だが、宗教はいいものだ、という内容ではなく、クスリと笑えるやり取りが多い前向きな気分になれる映画だった。
娘婿のキャラが最高。
七沖

七沖