ハレルヤ

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.7
1920年代のニューヨーク。ベストセラー作家の名作をいくつも輩出した名編集者パーキンズと、彼の目に留まった無名作家のトマス・ウルフ。2人の作品作りを通じて葛藤と絆を描いたヒューマンドラマ。

パーキンズ役には英国紳士のコリン・ファース。作家のトマス・ウルフ役はイギリスのイケメン、ジュード・ロウ。トマスの奥さんにはニコール・キッドマン。パーキンズの奥さんはローラ・リニー。この豪華極まりないキャスト陣はかなり魅力的。

ストーリー自体はシンプル。日の目が当たらなかったトマスの小説を偶然読んだパーキンズ。彼の小説の出版を決めて、編集について協議し、紆余曲折がありながらも最後は綺麗に締める。という分かりやすいもの。

ちょっとエキセントリックな性格のトマスですが、そこはジュード・ロウの演技が巧くキャラを引き立てていましたね。ニコール・キッドマンもずっと執筆と編集ばかりの夫に苛立ち、自殺未遂までする妻の演技はまさに迫真。

そして劇中でのパーキンズの言葉で、編集によって人の作品を歪めてしまう。間違えてしまうかもしれない。と言うところは編集者の知られざる苦悩が感じられた場面でした。

作品を書くのは作家。でもそれを良作として表に出すために知恵を絞るのが編集者。裏方でもここまで大変なんだというのを、コリン・ファースの控え目ながらも芯のある演技で伝わってきます。

実話を基にしているだけに緩急が少なく、ちょっと退屈気味に感じるかもしれません。けどキャストのファンの方や実話のドラマが好きな方なら一見の価値はあると思います。
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