nana

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのnanaのレビュー・感想・評価

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静かな、熱い物語。

トム(本人の写真は何故かコリンに似てる)の自由さ、激しさは見ていてやきもきしながらも、彼の才能に圧倒される。
やはり何かに没頭している人はどこか不器用。

赤鉛筆とか帽子とか、マックスの小道具が粋。
特に帽子の使い方は卑怯。
観ている間はずっとマックスの帽子について「何故」と疑問に思っていたのに、最後にそうくるか…

「あんた懲りずにまだ一緒にいたんかい!」って4回くらいつっこみたくなったアリーンや、フィッツジェラルドにヘミングウェイ。
周りを固める人々もみんな印象的。

劇中に出てくるトムの書く文章は、まるで寺山修司さんの書いた文章を読んでいる時のような気持ちになります。
ひとつひとつの言葉が心を揺さぶり、波のようにどんどん彼の静かな情熱が押し寄せてくる。
日本では絶版になっているのが残念です。
いつか読んでみたい。
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