菩薩

裸の幼年時代の菩薩のレビュー・感想・評価

裸の幼年時代(1968年製作の映画)
3.0
トリュフォーがプロデュースで参加している上に主人公の名前がフランソワのクソガキものと言う時点でポスト・『大人は判ってくれない』であることは明白だろうし、本来であればネオリアリズモまで一度回帰したうえでポスト・ヌーヴェルヴァーグとの境界を繋ぐ立ち位置にある重要作とでも位置付けられそうだが、序盤の猫虐待シーンのせいでこいつはもう絶対にダメだと言う気分になってしまい…弱きが更に弱きを挫く象徴に猫使うのやめて欲しい。母親を捨てた少年の物語ではなく両親に捨てられた少年の傷の深さはそれ相応のものがあるだろうし、所々で見せる健気さや最後の手紙に滲み出る本来のあどけなさにポジティブな可能性を見出したいどころではあるが、何か絶対的にサイコパスな一面を崩そうとはしない冷徹さが全体を貫いている。ナイフで自分の腕にイニシャルを刻みイキるクソヤンキーみたいなやつ、マジでいたわ…。行動の先の結果が自分の中で全く結びついていなそうな幼稚さ、ただ批判的な視線が向かう先は彼自身では無いのだと思う。
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