福福吉吉

マンホールの福福吉吉のレビュー・感想・評価

マンホール(2013年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
カナダの田舎町で原因不明の水質汚染が発生し、町から避難指示が出されるほどに悪化する。その町に住む下水処理員のジャックにプロッサーという男から水質汚染の原因究明を依頼され、前金が渡される。ジャックは妊娠中の妻の反対を押し切り、下水道の調査を開始する。ジャックは古い下水処理場で特殊なマンホールの存在に気づき、異臭漂うマンホールの中を調査して汚染の原因を発見するが、ジャックはマンホールに落ちてしまい、脱出できなくなってしまう。

◆あらすじ◆
水質汚染の元凶となるマンホールに落ちて脱出できなくなった男が異常な姿に変貌していくストーリーとなっており、ストーリーの大半を汚水だらけのマンホールの中の描写であるため、観ていてかなり嫌悪感を抱くものになっていました。

主人公のジャック(ジェイソン・デヴィッド・ブラウン)は下水処理のプロとして腕利きであり、責任感の強い人物として描かれており、好感の持てる人物でした。彼の腕を見込んでプロッサー(ジュリアン・リッチングス)が水質汚染の原因究明を依頼してくるのですが、プロッサーの身元が不明にも関わらず、用意された現金で妊娠中の妻を養おうとしてジャックは依頼を引き受けてしまいます。ジャックが依頼を引き受ける理由としてしっかり映像化されていて、納得のいくものになっていたと思います。

そして、下水処理場の特殊なマンホールを見つけ、ジャックがそのマンホールの中へ落下してジャックは汚物まみれになります。どうしようもない状況下でもジャックは水質汚染の原因を究明し、原因を取り除きます。ジャックの生真面目さと責任感が分かるシーンでしたが、彼自身が助かる術が無くなっており、とても悲しく感じました。

マンホールの中に取り残されるジャックは表皮が変質し、外見が怪物のように変わっていき、ネズミを食べるなどの奇行をするようになります。また、そのジャックに対して下水処理場に住み着いた兄弟が現れるのですが、彼らが一体、ジャックに対して何がしたかったのか分からず理解に苦しみました。

ラストはとても悲しく感じました。本作は謎を残したまま終わっており、もう少し謎を明らかにして欲しく思いました。

それでも、ジャックというキャラクターの善性とそれに反して窮地に追い込まれるストーリーの歪さがなかなか面白く感じました。良かったと思います。

鑑賞日:2024年4月25日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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