デラ

ドント・ブリーズのデラのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

チンピラ三人組が、お金目当てで盲目の退役軍人じいちゃんの家に強盗に入るというもの。
主人公の女性も、虐待されている幼い妹を連れて逃げるためお金が必要です。

催眠ガスで眠らせて、その隙にためこんでる金を盗み出す簡単なお仕事だったはず。
なのに失敗し、一人が銃で撃ち殺されてしまいます。
残された二人は、このまま一歩も動かず、気配を殺してじいちゃんをやり過ごせれば助かるはず……!
息一つしてはいけない、ドントブリーズ。
しかし元軍人の嗅覚はこれを逃しませんでした。
見つかってしまった二人とおじいちゃんの鬼ごっこが始まります。

この映画の面白いところは、おじいちゃんに殺される恐怖があるわけですが、おじいちゃんの立場になってみると、普通に怖い状況だということですね。
金を隠し持ってたところに銃をもった強盗が入ってきて、一人は殺したものの、相手は何人組なのかも分からない。
なんとなく気配はするけど目が見えないからどうしようもない…
いきなり正面から撃ち殺されても不思議はない状況ですからね。

かといって一概にじいちゃんの肩をもつこともできません。
このじいちゃん、昔娘を殺されております。
最愛の娘を失ったじいちゃんがとった行動は、娘を殺した女を監禁して、自分の子供を産ませるというものでした。
でも産んだ後は解放してくれるらしいし、孕ませるにもレイプするのではなく、直接自分の精子を突っ込むので、考えようによっては優しいのかもしれません(むしろ嫌でもあるけど)。
そのへんは男の私にはどっちがマシなのか分かりませんが。

色々あってその監禁されていた女性が死んでしまい、主人公が代わりにさせられそうになります。
瀕死の仲間に助けられなんとか脱出し(その仲間は殺されますが)、じいちゃんも倒し、金も持ち逃げし、妹と遠くの地で平穏に暮らします。

後日、ニュースでじいちゃんが一命をとりとめていたいたことを知る主人公。
しかし、じいちゃんの供述では強盗被害は無いとのこと。
自身も犯罪に手を染めていたじいちゃんは、盗まれた金を手打ち金として、お互いの犯罪を黙認しようということでした。



主人公側絶対有利で始まるこの映画ですが、中途半端な悪党であったため簡単に逆転されてしまいます。
主人公達は強盗はしますが、常に捕まっても罪が重くならないよう逃げ道を用意してきました。
銃をもっての押し入りはリスクが高いため、普段は持ってません。
しかし、つい持ってきてしまい、あげくのはてに撃つ覚悟もなかったので逆手にとられてしまいました。
相手がじいちゃんということもあって、舐めプしてしまい、結果的に催眠ガスも失敗します。
前半は相手が悪いことしてることも知らないため、ちょっと優位に立てても、本当に殺していいのか感がします。
そうした迷いが主人公達を窮地に追いやっていきます。
結局お互い様ということで最後には遠慮なくぶっ殺す(未遂)わけですが、意識の違いというのは面白いものです。

犬とか通気孔とか色々やってて面白いなーとは思いますが、後半存在を知られてからはよくあるやるかやられるかみたいな感じになってしまうのが残念。
終盤でもう一度「ドントブリーズ」を意識させるシーンがあったら面白かったのに

ところでこのタイトルってオチにもかかっているのかしら?
だとしたらちょっとイイネ!
デラ

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