とくとみろか

ドント・ブリーズのとくとみろかのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.2
一言:お家の中でメタルギア。強盗に同情の余地は全くなし

若者の強盗3人組がイラク退役軍人(盲目)の家に強盗に入る話。「目が見えないジジイの一人暮らしの家なんて、楽勝だろ!」と入ってみたら、爺さんめっちゃ耳が良いし、戦争帰りだからか銃器の扱いにめっちゃ長けてる。さてどう脱出する?的な話。

爺さん全然死なないし、次から次へと展開するからハラハラはするけど、主人公側に全く感情移入できず。

ロッキー(女主人公)だけそれなりにまっとうなお金が必要な描写はあったり、爺さん側も襲われて当然の理由みたいなのも挿入されていたけど、ロッキーがクソみたいな生活環境から抜け出すのと、そのために爺さんが強盗されるのはまったく筋違いであり、爺さんは被害者。ただ自分の家と自分の金を守ろうとしてるだけだし…。

しかも金に執着しなければ逃げられる可能性は多々あったのに、ロッキーが金に執着するあまり、この映画唯一の常識人であるアレックスが犠牲になっちゃったし。そしてロッキーだけ逃げ延びてるのがまた胸糞。

地下室での息もつかせぬ展開や描写は面白かっただけに、もうちょっと肩入れできれば素直に楽しめた。

同じ一軒家スリラー的ジャンルの映画では、「ルーム」とか「パージ」みたいに、圧倒的に襲われる側に感情移入できる映画のほうがすっきりと観られるなあ。
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