爆裂BOX

ドント・ブリーズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.4
サム・ライミ制作、リメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレス監督によるサスペンス・スリラーです。とにかく終始緊迫感に包まれた作品になっています。
物語は強盗を繰り返している三人の若者たちが盲目の老人が自宅に大金を持っているという情報を掴んで盗みに入るが老人はとんでもなく強かった、という単純なものですが、とにかくスティーブン・ラング演じる盲目の老人が迫力十分で素晴らしいですね。文字通りのホームなのでスルスル行動して主人公達を追い詰めていきます。特に暗闇に包まれた地下室のシーンは大きな見せ場ですね。モノクロの映像の中で銃火が光った時だけ色が付く演出が面白いですね。黒目が大きくなったジェーン・レヴィの表情も印象に残ります。ちょっとでも音がすれば銃をバンバン撃ちまくり、元軍人だけあって肉弾戦もかなり強いです。アレックスとの戦いは見ごたえありました。それでも、超人的なありえないような強さってわけじゃないのがいいですね。あれだけバールでボコボコにされて地下室に突き落とされたのにすぐ退院できるだけの怪我で済むってタフすぎるでしょう。
主人公のロッキーは複雑な家庭環境や妹の為に何としても金を手に入れてこの環境から脱出したいという背景が語られますが、冒頭で割とノリノリで強盗してたので同情や感情移入はできないですね。アレックスはゆいいつまともで感情移入できそうなキャラですね。マネーは下劣なDQNという感じでしたけど最後は気骨見せましたね。正直主人公達は自業自得という感じでどうしても爺さんを応援してしまいますが、中盤地下室の秘密が明らかになると爺さんもかなりのサイコ野郎であることが分ります。あのスポイトとぶちこむシーンはキモかった。シンディは一番被害者っぽいですけど、親の金で無罪になってること考えるとこっちもクズではあるんですよね。登場人物殆どクズという(汗)でも、爺さんは主人公達のせいで金は盗まれるわ知られちゃいけない秘密知られて殺人しなきゃいけなくなるわやっぱり一番の被害者な気がします。後、番犬も大活躍でしたな。正直殺されちゃうかと思ったけどそうならなかったのは安心しました。怖いけど。
泥棒に入った家で異常な家主に返り討ちにあう展開や怖い番犬活躍など「壁の中に誰かがいる」と似てますね。影響受けてそうだけど。
最後もほんのり後味の悪さを漂わせますね。
シンプルながら緊迫感と恐怖感を感じさせる傑作ですね。