【第29回ゴヤ賞 作品賞他全10部門受賞】
『UNIT 7 ユニット7/麻薬取締第七班』アルベルト・ロドリゲス監督作品。スペイン・アカデミー賞であるゴヤ賞で作品賞など10部門を独占した作品。
興味深いミステリーで、観終わった後も余韻が残るような作品だった。特徴的な演出があるわけでもないが、ダークなミステリーとして十分面白い作品になっている。あと映像が素晴らしい。
賞を独占するほどか、と言われるとそんなことないけど、一定の面白さは担保されている。この感じ、スペインじゃないけど『ミレニアム』シリーズが思い出される。謎が謎を呼ぶ踏み込んだミステリー。
閉鎖的な地方の街で起こった殺人事件を皮切りに、刑事たちの行く手を阻む存在が現れる。フランコ政権という闇の歴史も背景にあり、それがラストに効いてくる。
話としても十分闇深くて面白い。ラストの余韻は他では味わえないものかもしれない。スペインの歴史が持つ闇という感じがする終わり方。
映像、撮影が素晴らしい。沼地を奇妙に捉えたショットが印象に残る。CGかと思うほど変わった地形。この撮影を観るだけでも一見の価値はある気がする。
スペイン製ダークミステリーとしてなかなか面白く、飛び抜けた何かがあるわけではないが監督の確かな力量を感じた。興味を持って最後まで観ることが出来る良質サスペンス。
