おとなのみほん

クリーピー 偽りの隣人のおとなのみほんのレビュー・感想・評価

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)
3.0
ヴィルヌーヴの「メッセージ」で生命の美しさを知った後に、観たのがこちら。香川照之のずっと俺のターン!映画ですよ。はっはっは!まだまだいくぞー!


冒頭にも書きましたが、ヴィルヌーヴの後の黒澤清だったのである意味溜息の連射だったのですが、この二人の監督はそこにあるようで見えないものを撮るセンスが長けていると言うか。ヴィルヌーヴはすべての生命や、意志を。黒澤清はそこに残る意思や虚無を。確り撮っているから画面一杯どこを見ていようが伝わって来ちゃうんでしょうね。
この映画もストーリー性やこの話自体が持つメッセージは弱いのかもしれないけど、この画面の端から端まで目に見えることイコール想像し得ることよりも、ないものを辿ると鳥肌が立つ。それはこの作品に限らず黒澤清作品全てに共通している事でもあり、特段恐怖を感じさせる撮影スポットでも何でもないのに、怖いですねえ。でもその空白のスペースを補っているのもまた自分の思考と。はー、怖い怖い。