ぼっちザうぉっちゃー

輪廻のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

輪廻(2005年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ホテルに残る狂気や殺人者の視点、逃げ惑う女、絶叫、などどこか『シャイニング』のようなサイコと不気味を感じつつ、ラストは視点を逆手に取ったミスリードが発動し、予想とは違う展開を見せそこそこ面白く観られた。

なんとも微妙に生気に欠けて幸薄そうな優香が、直接的に恐怖体験するというより迷い込んでいくような様子が雰囲気合って良かった。
勿論しっかり恐れおののいて叫んだりするところも迫真。
霊が憑依するというのもあるけれど、生者が役を演じるというのも一種の積極的憑依行為に感じられるな。

冒頭のJKたちの会話にあったような「前世」とかいうオカルト話、平成って感じがする。ガラケーにストラップじゃらじゃらさせてな。
確かに、無いはずの記憶とか、なぜか覚えてる特徴的な建物とかって自分の脳の中でも、何とも結び付かない異様な存在感を放っている感覚があって、度し難いスピリチュアルさを覚えたりするのは分かる気がする。
フィルムを「回す」イメージもどこか輪廻とリンクする。(カタカタスルスル鳴る音も怖い)
子供の殺害シーンは少しショッキングだったな。

ラスト奇しくも自分が抜け出ようと極めてぞんざいに扱った「肉体」に再び囚われることになった男。子供らが渚を死なせなかったのかもしれない。「ずっと一緒だよ」という意味と忌みを込めて。人形とゴムボールは妻の復讐なのか?

しれっと黒沢清出てたやん。教授役似合いすぎじゃないですか。