鰹よろし

チェイサーの鰹よろしのレビュー・感想・評価

チェイサー(2017年製作の映画)
3.0
 ダイナーでオツムの足りない客たちの相手に嫌気が差すが、それに耐えられるのも(いや耐えてないけど)愛する息子のため。そんな息子が攫われた事での母親の奮闘追走劇。我が子のためなら余所様への迷惑など省みない様は、いやその余裕の無さ故に息子への真っ直ぐな愛を感じる。

 誘拐犯を射程圏内に捉えた事でのチェイスはハラハラしっぱなし。視界に捉えているが故の誘拐犯に関するリアルタイムの情報と、怠慢とは言い難いが出遅れざるをえない警察が基にする情報の誤差にはイライラが募る。ならば…と警察を待たず自らが誘拐犯を追い詰める決意を固めるわけだが、この彼女の行動は誘拐されたらほとんど見つかる事は無い現実に対しての”母親を舐めるんじゃないよ!”という世の母親の嘆きや怒りの代弁になってるのかな。

 オープニングが成長記録としての息子だけの画だったのに対し、エンディングが共に歩むとする2人の画だったのがまたよかったね。
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