【バレリーナの真実】
ロシア・マリインスキー・バレエ団のプリンシパルであるウリヤーナ・ロパートキナを映し出したドキュメンタリー。
バレエにうとい私は、ロパートキナの名前すら知らなかった。
この映画はしかし面白かった。
ロパートキナが様々なレパートリーをこなしていく様子を見ていると、バレエの魅力がよく分かるし、その素材の多様さに驚いてしまう。
マーラーの第5交響曲の有名なアダージエット(ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』に用いられているから映画ファンにもおなじみ)を使ったバレエは、「病めるバラ」と題されている。
これはもともとはマイヤ・プリセツカヤ(私もこの名は知っていた)のための作品なのだそうだが、ロパートキナによる映像を見ると、なるほどこういうふうにクラシック音楽をバレエ化するのか、と納得してしまう。
フランスのダンサーによるロパートキナ讃も出てくる。
世界に冠たるバレエ大国と言えば何と言ってもロシアとフランス。両国にはそういう面からの交流もあるのだろう。
エトワールのアニエス・ルテステュを映像化したドキュメンタリー「至高のエトワール」も良かったけど、このロバートキナを映像化したドキュメンタリーもそれなりの出来だと思う。バレエを知らない人でも十分に楽しめます!