「愛する妻(夫)に先立たれ」なんてキャッチコピーよく目にしますが、実際はどうなんだろうね、という穿った考えの私にはぴったりの映画。
主人公の幸夫(本木雅弘)は逃げている。
それが妻の死によって向き合わざるおえなくなる。
自宅に愛人を連れ込んで情事の最中に妻の死を聞く。
妻の死の罪悪感で泣いてボロボロになる愛人をまたもや抱く。
人間って弱いなぁ…。
私はこれを見て「許せない」と憤る資格のない人間なので、
ダメなやつだなとため息と苦笑すら出る。
子どもたちとの出会いによって明るい場所に引っ張り出された幸夫。
心地よさと今更の罪悪感。
「大切な人はあっという間にいなくなる」
向き合っていなかったから、妻との別れの時に悲しむこともできなかった。
でも友達になったトラック運転手の大宮陽一が事故にあったときの慌てっぷりはすごい。
逃げずにいたら、きちんと悲しめるし、慌てることもできるし、笑える。
何を言っても言い訳なんだろうけど
ここからの人生の言い訳がマシなものになるといいなと思った。