がく

永い言い訳のがくのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
5.0
新しく見た作品が、オールタイムベストに入ってくることが多いのですが、この作品を見直した時、やはりこの作品が私のオールタイムベストだなと実感させられました。

「子育ては免罪符だ」という台詞はすごく良かったですね。子育てに限ったことではないかもしれませんが、自分もそう思うことはあります。自分が最低な人間ではないような、まるでいい人になったかのような感覚。それは自分を麻痺させてくれるものなのですが、なんと脆いものなのかと感じます。

何気ないシーンもすごかったです。ファストシーンで直接的な言葉は言ってないのに、この夫婦に愛がないということがわかるし、葬式の後車に乗り込んだ直後にルームミラーで髪の毛を整えたり、あかりの誕生日のシーンでの陽一の一挙手一投足といい・・・細かいところがすごいなぁとただただ感嘆するあまりでした。

陽一がゆきの電話を消すシーンはもう泣いちゃいます。これはダメだろ・・・。

陽一と晋平の喧嘩のシーンもなんとも言えなかったですね。反抗する晋平と、息子に論破されて何も言えない陽一・・・ダメですよこんなシーンは。。。

陽一はすごいいい人なんですけど、父親としてはダメダメで、幸夫は仕事で成功を収めていて、できる男(っぽい)なんですけど人としてはダメダメで。
そんな2人ともに共感できたし、苦しくなりました。この2人の持つ人間性は、誰もが持ってるものだと思います。


俳優陣たちの演技も最高でしたね。そんな中でもやはり竹原ピストルは最高でした。もちろん、本木雅弘も、子供たちも、山田真歩も、もうみんな最高だったんですけどね。

まだまだ書き足りませんが、きりがないのでこの辺で失礼します。この映画は人間が絶対に見なければいけない作品だと思います。この作品に出会えて本当に良かったです。
がく

がく