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ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償のodyssのレビュー・感想・評価

3.2
【ドキュメンタリーには事実の証明が欠かせない】

先進国ではファッションショーが華やかに開催され、アパレル産業を通して人々は大量の衣服を購入している。

しかし現在、衣服類の製造自体は途上国で行われる場合が大半であり、給料を初めとする労働条件が先進国と比べて劣悪である場合が多い。

この映画はそうした問題を取り上げたドキュメンタリー。
途上国の衣服製造工場で公害が発生したり、既婚女性が雇用されたのはいいが幼い子供が放置されたり、といった問題が発生していることを訴えている。

工場の建物にヒビが入っているのに放置され、やがて建物が崩壊して多数の死傷者が出た事件が目を惹く。先進国のアパレル業界は、途上国の労働条件管理に無頓着なのだ。

さらに、途上国の労働者が得ている賃金と、先進国で売られる衣服の価格を比較した場合、はたして適正な賃金になっているか、企業が暴利をむさぼっているのではないか、という問題的もなされている。

悪くない映画ではある。
しかし、企業の暴利については、具体的な数値を挙げることによりその内実に迫るなどの工夫も必要だろう。

制作側の主張に都合のいい映像だけ見せているのでは、という疑問を起こさせないような、事実と数値による証明がないと、真に説得力を持つドキュメンタリーにはならない。
制作側は、そのことを肝に銘じて欲しい。
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