木曳野皐

バーニング・オーシャンの木曳野皐のレビュー・感想・評価

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)
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「火災現場到着まであと何分かかる?」
「35分」
「あと30分遅い」

この沿岸救助隊の会話が耳に残った。
事故現場に居た人達でもその家族でも、あのクソみたいな社長でもなく。
たった数秒で終わるシーンだった。
対して重要なシーンでも無かった。
切羽詰まる中、沿岸救助隊が交わしたほんの一言。
当たり前だけど、救助する人達はすぐにでも助けたくて辿り着きたくて必死なんだよね。だけど物理的距離とか状況が邪魔をしている。どれだけのもどかしさを抱えてお仕事してるんだろうって思ったらなんか泣けてきた。
ほんと無闇矢鱈に救急車呼ぶ人勘弁してあげて欲しい。
救急車通るのに止まらない車にいつかバチが当たりますように。
感じる角度も観る角度もズレているような気はするけど、そのくらい“救助”に関わっている人達に感謝して生きていかなきゃいけないと思った。

映画としては迫力がありすぎて、演出が膨大すぎてついていけなかった。
理解が追いつかないと言うか…
でも多分、実際理解は追いつかない大事故だったんだと思う。
それが故意に映されていたのか、
たまたま派手な演出しすぎて分からなくなってしまったのか私には分からない。
だけどあの状況下で何が飛んできて、何が爆発して、誰が生き残ってて、なんて冷静に判断出来ないと私は思うので、1周回ってこの分かりにくいほどに派手目な演出が良かったのではないかと思う。多分。
どんな仕事でも普段快適に働けるのは裏方の点検作業の人達のお陰だからもっと感謝して生きたほうがいい。
自然災害は防ぎようが無い事が多数だけど、人災ほど「あの時こうしておけば…」が似合う後悔は無いと思うので安全点検はこの世で一番大事。
木曳野皐

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