名も無き辛口評論家

レディ・プレイヤー1の名も無き辛口評論家のネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「REA DY PLAYER ONE」

最高の映画。観ないと後悔する。この映画には80年代から90年代を経て2000年代まで全ての映画が詰まっている。日本人必見の映画で、ここまで日本を理解した映画作品はない。

拝啓 スピルバーグ監督様

最高の映画をありがとうございます。

親が子供に安心して魅せられる映画。ボーイ・ミーツ・ガールの典型的な作品。見知らぬ男女の出会いから恋を描く。しかし、かつてのスピルバーグ作品ほど露骨ではなく現代風。
最初は、仮装プレイヤーによるアバター状態で正体は分からないが、後に、仲間達が正体を表して登場する。そこには民族を超えた友情がある。インターネットを通じたグローバルな世界。仮想世界を含めてそこに存在する。

スピルバーグ「らしい」作品。

上にも書いたが、極めて道徳的な内容。これぞ西欧社会のユダヤ教ないしキリスト教道徳の素晴らしい店で、人間の良心に訴えかける。
ゲームを作った人物が、親友と仲違いしていた不破を主人公が、最後に優しく繋ぐにはゲームをクリアする必要がある。老人と若者、仮想世界における空間での理解など、こうした世界観は、どこか懐かしい。主人公は決して世界を支配し得ない。あくまでも託されたことを良心的に行う人物なので、作品がクリアできたと、90年代のような道徳的作品で、2000年代以降に消え去った後味の悪い作品とは一線を画す80年代大団円のハッピーエンド作品。
また、イデオロギーとしてアメリカで問題となる格差社会と、富裕層と貧困層の問題を描きながらもゲームの核心となる貧困故にネットに染まり入り浸りがちであるが、「現実が大切」という現代人へのメッセージ。人は繋がっている。しかし、そうしたネットを通じた出会いによる友情や恋愛は、もはや止められない。しかし、現実こそが大切だと原作者からのメッセージは傾聴による値する。

日本への極めて大きなリスペクト

登場キャラクターに「ガンダム」、「メカゴジラ」、「マリオカート」、「ストリートファイター」など、日本もソフトパワーである。特に主人公が波動拳を撃つシーンなど、心踊った。また、日本人プレイヤーのダイトウが、『俺はガンダムで行く』というシーンに胸が熱くなった。しかも、敵はメカゴジラで登場シーンは、ゴジラのMay'n Themaのアレンジが流れる。この時点でアドレナリン全快。
こうした日本への深い愛は作品随所に現れているが、それはスピルバーグが映画でヒットした時代は「ジャパンアズナンバーワン」と言われて敗戦国の日本が経済的に世界を席巻した時代。そしてスピルバーグ作品がヒットした時期と重なり、ゴジラ映画など双方映画による文化交流は深まった。
また、おそらく、日本人も同じく心踊る懐かしいの80〜90年代映画の相互補完となっている。キングコング、ジュラシックパークのティラノサウルス、バックトゥーザフューチャーのデロリアン、チャイルドプレーのチャッキーなど。他にも敢えてスピルバーグが、キューブリック監督の名作「シャイニング」を作品で描くなど、その意味を考えるのも面白い。特に、ターミネーターのパロディは色んな意味で告示していた。

なぜ、同時期の映画で、パシフィックリムアップライジングが中国に媚びるクソ映画であったのに比して、レディプレイヤーワンは、日本人とアメリカ人の為の映画。特に80〜90年代に慣れしたんだ自分のような80年代後半世代には、ドンピシャのどストライクだった。

大切なことなので重ねて言う。観ないと絶対に後悔する。今の時代に、観終わった後に、こんな幸せになり、ワクワクする作品をありがとうございます。

最後に

こうした懐古映画は、日本やアメリカが経済的にバブルと呼ばれて、今再び安倍内閣とトランプ大統領による景気回復が、こうした大団円の作品を作ったのではないかと考える。