ゾンビおじさん

劇場版 艦これのゾンビおじさんのレビュー・感想・評価

劇場版 艦これ(2016年製作の映画)
4.2
女の子が戦艦となって戦うブラウザゲーム原作の映画。本日公開された故、その処女航海に乗船。テレビシリーズでは掘り下げられなかった轟沈&深海棲艦への転生の悲喜こもごもが描かれる全編シリアス路線。不毛な戦闘の輪廻の末に残るのは果たして何か?DMMの営業利益だけなのか?

事アニメ映画はネット上では叩かれ炎上する傾向にあるが、本作のテレビシリーズは特に「あ艦これ」と評された挙句爆炎をあげながら無念の上に海の藻屑へと消えた過去を鑑みると、戦没碑に花を手向けるようなたおやかな気持ちで劇場に向かったものの、なかなかどうしていい映画だったと私は思う。たまたま私の右後ろに座し、予告編の間邦画ラブストーリーに嵐のように罵詈雑言を浴びせていた男の提督二人組も、本編クライマックスではただただ凪いだ海のさざなみのように鼻をすすっていたので、恐らくはいい映画なのだと思う。彼らの何がそこまでラブストーリーを憎ませるのかは謎だ。

アクションシーンについてもCGの違和感は減り、テレビでは活躍しなかった艦の活躍を拝む事ができ鎮守府冥利に尽きる。勿論重低音の砲撃鳴り響く迫力もひとしおだが、私が最後に見た海戦映画はメガシャークVSグレートタイタンなので保証はしかねる。よく考えたら海鮮映画かもしれない、メガシャークは。

万人に本作が受けるとは思わないが、ネット上の感想に流されず、是非劇場に行きご自身の目で確かめて判断して欲しい。本作でもまた作中の提督は姿を表さず日本円→DMMマネーカードの為替業務に没頭していたように、そういった劇場に足を運んだ皆さんの誠心誠意がDMM下半期決算を伸ばし続編につながるのだから。