一人旅

アルタード・ステーツ/未知への挑戦の一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
ケン・ラッセル監督作。

アメリカの名脚本家:パディ・チャイエフスキーの同名小説を英国出身の鬼才:ケン・ラッセルが映画化したSFホラーで、まだ髪の毛がフサフサだった頃のウィリアム・ハートが生命の根源を探究する科学者を演じています。

メキシコの秘境で入手した幻覚剤の作用によって生命の根源を明らかにしようとしている研究者に精神的な変化のみならず肉体的な変化が訪れていくというSFホラーで、幻覚剤で太古の地球の光景を追体験することに成功した科学者が、やがて類人猿や謎の異形に変貌を遂げていく異色の展開が見所となっています。

科学者が過去を遡っていく様子をケン・ラッセルらしい強烈なイメージの奔流で表現していくと共に、幻覚剤により類人猿へと退化していく科学者をCGでは実現し得ないリアルな手触りの特殊メイク&特殊効果(担当:ディック・スミス)でおどろおどろしく描き出しています。

ストーリー以上に、観客の視覚を刺激する強烈な映像で畳み掛けた異色SFホラーで、科学者が研究中に異形に変貌するというパターンでは『ザ・フライ』(86)等を連想させます。
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