バミューダサイキックビーム

ベイビー・ドライバーのバミューダサイキックビームのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.0
カラフルさとポップさと斬新さとピカレスクとがそれぞれ尖りつつも同居した感じが堪らない!

イヤホンとリンクする劇中BGMとそれが代弁する主人公のエモーションと言うアイディアは凄い。
イマイチ読めない主人公の心情も語る様なリリー・ジェームズの気持ちの入った演技にロマンスを感じる。
ジェイミー・フォックスのプロかつイカれた悪党感とジョン・バーンサルの執念とケヴィン・スペイシーの複雑さと「Nowhere to Run」を口ずさむエイザ・ゴンザレスのアブないセクシーさとに痺れる。
甘酸っぱくかつビターでユニークなテクスチュアを持った映画だと思う。

ハイテンポな音楽に乗せた踊る様に疾走するカーチェイスが満載なのもストーリー全体の疾走感にマッチしてて良い。

しかしスゲー主人公が嫌いになるという不思議な感じに陥ってしまった。
何故かイヤホン無しの時に耳鳴りに苦しんでる感じがあまりしない。(うっすらと耳鳴りの音が聴こえるが。)
それに苦しんでる設定では?と不思議に思う。
そのせいか「人と話してる時にイヤホンを取らない奴」アレルギーの自分にはこの異常に自分の世界に入ったスカし振りと他のキャラとは違う地に足の着かなさが合わなかった。
ゴズリングが「ドライブ」で見せた暴力を孕んだ静かさに感動しただけに比べると物足りない感じもある。
まあこんな事言ってると最初に死ぬんだろうけどね(;^ω^)。

しかしそれも含めてストーリー的にもビジュアル的にも終始目が話せない!
これ以降音漏れするヤンキーの車を優しい目で見られそうです(*´ω`*)。